掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)性骨関節炎
● 概要 手掌や足底に水疱や膿疱を形成する原因不明の皮膚疾患である掌蹠膿疱症に伴って発症し、 骨炎・関節炎・脊椎炎を呈するリウマチ性疾患 胸鎖関節部に胸肋鎖骨肥厚症を示すのが特徴 病理学的には腱付着部の非特異的な慢性炎症であり、骨破壊と骨新生が混在する 30~40歳代に好発し、女性にやや多い ● 症状 胸鎖関節部や鎖骨近位部に腫脹、熱感があり、自発痛、圧痛が存在 ほかに、手指のPIP関節、手関節、膝関節に腫脹を伴う関節炎を合併することがあり、 脊椎炎や仙腸関節炎を合併することもある ● 診断 前胸壁の特徴的なX線所見で診断できる 初期には靱帯付着部の骨びらんと骨新生を生じ、 進行すると鎖骨の一部または全部に慢性骨髄炎に類似した硬化像を引き起こし、 最終的には鎖骨は肥大して第1肋骨と癒合する 末梢関節においては、X線上の異常を示すことはほとんどない ● 治療 根本的治療法はないが、炎症に対してはNSAIDが有効 NSAIDの効果が減弱して炎症の再燃を繰り返す症例に対しては、 抗生物質を短期間経口投与することにより症状が改善