肘部管症候群
● 概要
肘部管症候群とは、肘で尺骨神経に圧迫や牽引などが加わって、生じる神経の障害
● 症状
麻痺の進行により症状が異なる。 初期は小指と環指の一部にしびれた感じが出現。
麻痺が進行すると手の筋肉がやせてきたり、小指と環指の変形が生じる。
しびれ、やせ、鉤爪指変形
● 主な原因
・ 神経を固定している靱帯やガングリオンなどの腫瘤による圧迫
・ 加齢に伴う肘の変形
・ 子供のときの骨折による肘の変形
・ 野球や柔道などのスポーツ
・ その他
● 診断
肘の内側を軽くたたくと小指と環指の一部にしびれ感がはしる。 肘の変形がある場合には、X線(レントゲン)検査で肘の外反変形や関節の隙間の狭いことがわかる。
● 治療
薬物の投与・肘の安静などの保存療法をまずは行います。 これらの治療が無効の場合や麻痺が進行しているときには、
尺骨神経を圧迫している靱帯の切離やガングリオンの切除を行います。
神経の緊張が強い場合には、骨をけずったり、神経を前方に移動する手術を行う。 肘の変形がある場合には(外反変形など)、変形を手術的になおす場合もある。
● メモ
患者さんで3ヵ月前の正月に顔を洗う時に、水が掌からこぼれて洗えないのが初めに気づいたとのこと。
それから箸でおかずをつかむことができなくなったり、
クリップを挟む際の、親指と人差し指の摘まむ動作時の力が出にくい、
小指、薬指および小指球周辺の肉がやせて冷たい感じがするとのこと。
母指の付け根の部分が凹んだり、母指球がやせた感じがする。
手根管症候群やギオン管症候群との区別が必要。