レイノー症候群
● 概念 寒冷や精神的ストレスなどの外的刺激をきっかけに四肢先端の小動脈が発作的に 収縮し、指趾の色調変化を示す可逆的な現象を生じる疾患をさす 分類 ①基礎疾患のないレイノー病(一次性レイノー症候群) ・凝固系以上による血管内性 ・外傷、振動工具、膠原病などによる血管壁性 ・胸郭出口症候群などに起因する血管外性、が該当しないもの ②二次性レイノー症候群 ・基礎疾患としては全身性進行性強皮症、全身性エリテマトーデス、 閉塞性血栓血管炎などがある ● 症状 阻血症状の発生とともに皮膚は蒼白となり、チアノーゼを伴う その消失あと反応性充血による紅潮を示し、次いで正常に戻る 反応の各段階に応じて、冷感、しびれ感、知覚鈍麻、うずくような疼痛を示す 発作が頻回にならない限り、指尖の萎縮、爪の変形といった栄養障害には至らない 強皮症、混合性結合織病(全身性エリテマトーデスSLE、全身性進行性強皮症PSS、 多発性筋炎PMの各症状を合わせもつ)などに由来するものは潰瘍、壊死の例もある ● 診断 患者の多くは若い女性で、両側羅患例が主、母指は少ない 症状の経過より診断は比較的容易であるが、基礎疾患の有無が重要 ● 治療 生活指導としての精神の動揺、情緒不安定といった要素を改善し、 十分な保温に努める 各種血管拡張剤、抗血小板製剤、自律神経遮断剤を用いる 手術的に交換神経節切除も行われるが、効果は一定しない 二次性のものは基礎疾患の治療が優先する