腕神経叢損傷
● 概念 交通外傷、特にオートバイ事故により発生することが多い 大部分が牽引や圧迫外力による閉鎖性損傷で、神経は伝導性を失ったり、 断裂した状態となり、上肢の麻痺を生じる ● 症状 麻痺型により症状が異なる C5・C6・C7根の損傷は上位型 C7・C8・T1根の損傷は下位型 C5-T1全根の損傷は全型と呼ばれる 損傷程度によって麻痺の程度が異なる 損傷が後根神経節の中枢にあるものを節前損傷、末梢に損傷があるものを節後損傷 という 節前損傷のほとんどは神経根が脊髄から引き抜かれた引抜き損傷で、 脊髄と末梢神経の間の修復は不能 ● 診断 脊髄造影検査、MRIなどの画像検査により神経根が引抜き損傷ではないかどうか診断 菱形筋・前鋸筋麻痺、チネル徴候陰性、ホルネル徴候などは節前損傷を示唆する所見 3週以上待機し、筋電図検査で自発電位が認められれば、有連続損傷 ● 治療 引抜き損傷では、肋間神経を用いた神経移行術が行われる 叢部損傷では、神経移植術が行われる その他、再建術として、筋腱移行術や関節固定術などが行われる